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「生産性向上のために新たにロボットを導入し、自動化を推進する!」

製造業の分野で自動化への関心はますます高まっています。

しかし、本当にロボットを入れることが生産性向上に役立っているのでしょうか?

むしろ、チョコ停や故障の対応に追われて以前より生産性が落ちてしまったなどということはないでしょうか?

今回、複数工程で製作される金属加工部品を事例に、ロボットによる生産性向上について見てみたいと思います。

 

「本ページの内容」

1. どの工程を自動化するか
2. 自動化設備導入の影響
3. その他注意点

 

 
「1.どの工程を自動化するか」

今回、下図のように①NC旋盤、②マシニングセンター、③ボール盤といった計三工程で製作される金属製品について見てみます。

ロボット化の注意点01

現在全ての工程の作業を人で行っており、それぞれの加工時間は順に、2分(NC旋盤)、5分(マシニングセンター)、1分(ボール盤)とします。

この時、どの工程を自動化して加工時間を減らすのが良いでしょうか?

 

NC旋盤の工程をロボット化し、加工時間が2分から1分に短縮されたとしましょう。

ロボット化の注意点02

全体の生産性は一番長いマシニングセンターの加工時間に制限されるため、ライン全体の生産性は改善されません。

「仕掛品1が溜まることによる在庫増加」という現象が発生してしまいます。

 

次に、マシニングセンターの工程をロボット化し、加工時間が5分から3分に短縮されたとしましょう。

ロボット化の注意点03

製品が完成されるペースが短縮され、ライン全体の生産性が改善されました。

以上より、加工時間が一番長い工程に対しロボット化することが有効であることがわかります。

 

 

「2. 自動化設備導入の影響」

ロボットなどの自動化設備の導入は、本当に会社の利益に繋がるでしょうか?

ここでは、自動化設備導入が損益分岐点にどのような影響を及ぼすのか見ていきます。

 

まず、設備購入費用として固定費が増加します。

ロボット化の注意点04

変動費と売上が不変とすると、上図の様に損益分岐点は悪化してしまいます。

一方、ロボットによって人件費削減(変動費減少)、または生産性向上(売上増加)の効果が現れると、下図の様に損益分岐点は改善されます。

ロボット化の注意点05

固定費の増加、変動費の減少、売上の増加の3つの効果を考慮して差し引きプラスの効果となるか、判断することが重要です。

 

 

「3. その他注意点」

・ロボットの故障、チョコ停の頻度が高く、稼働率が逆に低くなっていないか(思ったように生産性が上がらず、売上が増加しないリスク)

・ロボットの段取り、セッティングに手間がかかり過ぎないか(思ったように生産性が上がらず、売上が増加しないリスク)

・故障やチョコ停を直すための専門知識を持った人材が新たに必要ではないか。社外に依頼する場合、修繕費は高すぎないか。(変動費が想定外にかかってしまうリスク)

・購入する自動化設備は汎用性があるか(将来の環境変化への対応リスク)

・固定費増加により企業の安全性が低下しないか(固定比率、固定長期適合率の悪化リスク)

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